New Variable Star   Gaia DR2 4104372315454847232 = 2MASS J18302347-1355421

今年4月に増光に気が付いた新変光星です。
過去に2度ブログなどに報告として掲載しましたが、最近の状況をまとめてみました。
京都大学のT.KATO先生のご教示や、佐世保のMyyさんの見解を参考にしました。

 

当初は、既知の変光星 GDS_J1830235-135539 の増光だと思いました。
それにしては、位置や変光範囲が異なるので、DSS画像を確認した結果、
南に赤い星が近接していることがわかり、この星の増光だと結論付けました。

この星は、
2MASS J18302347-1355421 = Gaia DR2 4104372315454847232 = IRAS 18275-1357 です。Gaia DR2によると Large-amplitude variables となっています。

Gaia DR2 4104372315454847232

DSS パンスターズカラー画像

パンスターズ G画像

変光星との比較

ASAS-3の過去の少ない観測データでは、2001年から2009年まで14等以上の増光は確認できていません。(GDS_J1830235-135539 の変光星も極限等級ギリギリで捉えられていません)

次に、ASAS-SNの過去データでは、2015年2月から昨年までは、15等台内で変光しています。この変光は、VSXにある既知の変光星 GDS_J1830235-135539の変光要素や
当然ですが、ASASSN-V J183023.57-135539.9の要素とも合っています。
ということで、ここまでは、GDS_J1830235-135539 の変光を捉えていることになります。不可解だったのは、GDS_J1830235-135539 の要素通りに変光していたものが、
2月以降に急増光した点です。異常増光か?と思いましたが、両星が近接しているために、新変光星の増光により、GDS_J1830235-135539と新変光星との合成光度と考えるのが妥当だと思います。増光後の微妙な変光はGDS_J1830235-135539 の変光が影響しているためかもしれません。

ASAS-SN

ASAS-SN +α

もう一つの不可解は、前述の通り、新変光星の異常増光で、過去に増光が確認できていません。ASAS-3やASAS-SNで捉えられておらず、2010年から4年間の欠測を無視すれば、ここ20年間に無かった増光?をしていることになります。
それも昨年2月から9月8日現在まで増光中です。このまま増光すればいつ肉眼等級になるのか??目が離せません。