今度はへびつかい座に新星出現!  V4370 Oph = TCP J17395720-2627410 

 3月11日の早朝に「へびつかい座」に11等級の新星が出現しました。今年三番目の新星です。世界で最初に発見したのは、群馬県の小嶋正さんです。3時36分頃に撮影した画像からの発見です。遅れて複数の日本人やオーストラリアのAndrew Pearceさんも独立発見しています。

その報告はTOCP(http://www.cbat.eps.harvard.edu/unconf/followups/J17395720-2627410.html, http://www.cbat.eps.harvard.edu/unconf/followups/J17395699-2627413.html)に掲載されています。これ以外にもベテランの捜索者から発見報告があったようです。全国的に良い天気で観測し易い位置だったため多くの発見者がいました。私も4時22分に撮影した画像に新天体らしき星に気づき、5時過ぎに国立天文台に通報しています。参考:日本人が発見した天の川銀河の中の新星一覧

 最初の発見報告を受けてすぐに広島大学のメンバーによって東広島天文台「かなた」で分光観測が実施され、赤くなった初期段階の新星であることが確認されました。発見報告から約30分後のことです。この結果は、
ATel #16521:Spectroscopic Observation of TCP J17395720-2627410, Classifying as a Reddened Nova で同日に報告されました。極めつけは、翌日にはもう、CBET 5365:V4370 OPHIUCHI = NOVA OPHIUCHI 2024 = TCP J17395720-2627410 によりこの星の発見内容とV4370 Ophという変光星名がついたことが報じられました。

 あっと言う間の出来事でした。明るさはほぼピークのように見えますが、今後の観測が注目されています。

へびつかい座新星 発見画像 撮影時刻の訂正29h22m→28h22m

当夜の銀河 2023.03.10 28h45m

ソフト ステラリウムから新星の位置