SDSSJ133941.11+484727.5

おおぐま座の新矮新星
初めて今朝撮影してみた。まだ10等台で明るい。
どのくらいで暗くなるのかわからないが、たぶん次の増光は見ることができないだろう?
矮新星は、北斗七星のひしゃくの柄η星の1.5度東隣。見つけるのは簡単。
 
2月12日 28h29m 15sec f=135mm F2.8 DSLR
28h29-30m間の3画像のG画像からV光度と比較測光し、その平均値:10.91
 
イメージ 1
 
VSOLJニュースは転載可のため以下に発見の報を転載
__________________________________________________
VSOLJ ニュース (265)  Subject: vsolj-news 265: New dwarf nova in Ursa Major
おおぐま座に新しい矮新星の発見
                              著者:大島誠人(京大理)  

 今年は厳しい寒さの続く冬となっておりますが、そんな寒い冬の夜も更けると
ともに春の星座が登ってきます。春の代表的な星座であるおおぐま座は多数の矮
新星があることでも知られていますが、この度新たに一つの明るい矮新星がおお
ぐま座に発見されました。
 スローンデジタルスカイサーベイサーベイ観測の一環として分光観測をして
おり、それによって数多くの激変星と思われる天体を検出し、リストアップして
います。これらの天体の中には、まだ増光がとらえられたことがない矮新星が多
数含まれている可能性が高いため、多くの観測者がこのリストを元に新たな天体
が増光が起こしていないかという日々のモニター観測を行っています。今回の新
たな矮新星は、その中の一つで、普段は17.5等程度の星です。
 発見者はJ・シアーズさん(イギリス)です。2011年2月7.919日(世界時)に、こ
の天体が10.4等にまで増光しているところを眼視観測によってとらえました。こ
の発見をうけて世界各地にの観測者によって確認され、増光間違いないことが判
明しました。この天体は通常は17.5等前後ですから、増光幅は7等程度になりま
す。これは激変星としてはかなり大きな値です。また、この天体が激変星である
と疑われるようになってから一度も増光は発見されていないことなどから、増光
がかなりまれな天体と考えられ、や座WZ型矮新星(VSOLJニュース No. 255等参
照)の可能性もあります。精測位置は、

赤経  13時39分41.12秒
赤緯 +48度47分27.5秒  (2000年分点)
です。また、最近の観測は以下の通りです。

  20100406.172  <165C  (Eddy Muyllaert、ベルギー)
  20100411.074  <172C  (Eddy Muyllaert)
  20100711.087  <172C  (Eddy Muyllaert)
  20110207.919   104  (Jeremy Shears、イギリス)
  20110207.940  10.416V  (Ian Miller、イギリス)
  20110207.958   105  (Gary Poyner、イギリス)
  20110208.017   101  (Patrick Schmeer)
  20110208.017   101  (Patrick Schmeer、ドイツ)
  20110208.035   104  (Gary Poyner)
  20110208.919   103  (Eddy Muyllaert)

 10等という明るさは矮新星、特に新しく発見される矮新星の中ではかなり明る
い部類にはいるもので、小さな望遠鏡でもその増光している姿を見ることができ
ます。おそらく数年に一度、あるいはそれ以下しかその姿を通常の望遠鏡で眺め
ることはできないでしょうから、この機会に一度その稀にしか目にすることので
きない姿を眺めてみてはいかがでしょうか。
 今回のような発見の元となった増光モニターは、その性質上ほとんどが「今日
も見えなかった」の繰り返しの地味な観測です。しかし、そのような目立たない
観測の積み重ねがこの度の新矮新星の発見につながったといえるでしょう。

参考文献
vsnet-alert 12807, 12816, 12817
____________________________________________________________________________________________________________