今年の天文現象の中でトップと思うのが、紫金山-アトラス彗星です。2023年2月22日に、南アフリカ共和国のアトラス(小惑星地球衝突最終警報システム)が新彗星を発見、その後、2023年1月9日に中国の紫金山天文台でもこの彗星を独自に捕らえられていたことがわかり、発見順に「紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)」という名前がつきました。軌道が計算されると、2024年9月28日頃に太陽に、10月13日頃に地球に一番近づくことがわかりました。当初、明るさは、なんと金星並みのマイナス等級になって世紀の大彗星になると予測されました。しかし、観測が進むにつれて、その明るさは控えめになり、現在は最大2等級となっています。そして、7月には太陽接近前に消滅する可能性があるという文献まで出ました。がっかりしましたが、8月17日のステレオ探査機の画像には、予想より明るい、7.2等の明るさで写っていることがわかりました。また、彗星崩壊の可能性を判断する、ボートル・スケールというものがありますが、これも崩壊しない値になっているとのことです。明るい材料が出てきています。10月初旬の西空に肉眼で見える大彗星を期待したいところです。余談ですが、彗星のすぐ上に、例の、かんむり座があって、この時、T星がどうなっているのかも気になるところです。
写真は、こんな感じなのかな?と引き出した、1997年岡崎市で撮影したヘールボップ彗星(古い写真ですみません)、そして、フリーソフト、ステラリウムで再現した10月16日夕方の西の空、街中と大気光の影響ない空の紫金山-アトラス彗星。