【こぎつね座新星2024 = V615 Vul = = PNV J19430751+2100204 の出現】

 年初の星占いによると、「夏以降の新星出現はない、あるとすれば、11月10前後の西の空に明るい新星が出現する。しかし、この新星はかんむり座Tではない」 とのことでした。すでに、先日の、いて座新星の出現でこの占いは外れています。さらに追い打ちで、今回、こぎつね座に新星の出現がありました。星占いは当たりません。個人の備忘録として状況をまとめておきます。wifi環境のない所からなので投稿が遅れています。

 この新星の発見は、ロシアのNMW( New Milky Way survey)により検出され、チームの Kirill Sokolovsky さんによって、TOCPに報告がありました。検出された時刻は、7月29.8317日、位置は、こぎつね座(19 43 07.51 +21 00 20.4)、光度は11.2U でした。 30日の朝、この報告をみて驚いたのは、私も同日に撮影していたからでした。時刻をよくみると、日本では夜が明けている時間帯で、私の撮影時刻、29.48485日から、8.3時間後のことになります。画像をチェックしてみると14.2c等までは写っていますが、新星はありません。この時刻では14.3c等以下だったと思われます。
http://www.cbat.eps.harvard.edu/unconf/followups/J19430751+2100204.html

 Kirill Sokolovsky さんは、TOCP以外にもSNSを通じて確認依頼をされていました。 ASAS-SNにも最新のデータは無かったので、Kirill Sokolovsky さんの 「X」 に、私の画像確認結果をつけて、「 I have checked the images I took of this transient. It may be a fast nova? 2024 07 29.4849 <14.2c 2024 07 29.4850 <14.2c 2024 07 29.4852 <14.2c」 とリポストしておきました。Kirill Sokolovsky さんから 「イイね」 がつきましたが、お役に立てる情報ではありませんでした。VSOLJにも、他の新星観測報告にプラスしてこの新星が14.2等以下だったことを報告しておきました。

 30日の夜、どの程度まで明るくなっているか気になるところでしたが、薄雲があったので確認撮影は止めました。しかし、こぎつね座はみえていました。世界各地でフォローしてるはずですし、早く暮れる日本での観測が必ずあるはずです。
案の定、VSOLJには、Myyさんが、23時42分に 9.83V等、  Mhhさんが、25時44分 9.7等との報告がありました。
そして、この夜に、京都大学岡山天文台の3.8mせいめい望遠鏡によってスペクトル観測がおこなわれ、極大光度付近にある古典新星であることがわかりました。結果は、以前大変お世話になった、田口さんから 「Spectroscopic Classification of PNV J19430751+2100204 as a Nova Outburst :ATel #16743」 という件名での報告でした。(https://www.astronomerstelegram.org/?read=16743

31日の夜は快晴でした。スペクトル観測の結果から、明るさもピークと思いましたが、気になって撮影しました。10.2等で、やはり減光していました。1日も場所を変えて撮影しました。更に減光して、10.6等でした。(写真)

この新星、明るい新星には違いありませんが、スペクトルの結果から特段ニュース性のある新星ではありませんでした。「X」にポストした通り、速い新星でした。

 

PNV J19430751+2100204

PNV J19430751+2100204   7/31

V615 Vul