静岡県の金子静夫さんが、11月18日に撮影された画像から増光天体を発見され、国立天文台経由でTOCPに TCP J21220926+4926242 として掲載されました。位置は、白鳥座で 赤経:21 22 09.26 赤緯:+49 26 24.2、明るさは12.8等。それを受けて、NMW自動サーベイや国内でもフォロー観測が行われました。
その後、VSXには、この天体の名称が WISEA J212209.00+492624.5 (=TCP J21220926+4926242 )となっていて、タイプは、「EXOR:」でした。コロンがついているので確定ではありませんが、同定された天体は、NEOWISE が発見して、EXOR候補天体になっていたのかもれません。ライトカーブに目をやると、ASAS-SNでは、過去に増光記録されていませんでした。発見の約一ヶ月前、10月19日ごろから増光しているのがわかります。


TOCPに報告された光度と私の観測(Ymo)を並べてみると、
2025 11 14.399 <140cG Ymo
2025 11 14.443 12.8U Kato
2025 11 16.399 136:cG Ymo
2025 11 18.42144 12.8U 金子さん(発見)
2025 11 18.63454 13.2CV NMW
2025 11 19.41172 12.91V Yoshimoto
2025 11 19.7260 12.9CV NMW
2025 11 20.403 130cG Ymo
2025 11 23.365 12.64cG Ymo
2025 11 23.7302 12.5CV NMW
2025 11 25.7085 12.4CV NMW
2025 11 26.365 12.50cG Ymo
2025 11 28.452 12.29cG Ymo
2025 11 30.363 12.36cG Ymo
2025 11 30.365 12.41cG Ymo

どうなのかなぁ~、光度も頭打ちか、と思っていると、なんと ATel #17519が出ていました。「FUor-like absorption-dominated spectrum of TCP J21220926+4926242」です。
ロシア科学アカデミー天文学研究所の口径50cm f/8の望遠鏡で分光観測が行われ、そのスペクトルは、FU Ori星V1515 CygおよびV1057 Cygに類似していると報告されています。この結果を受けて、VSXには、タイプは、「FUOR」に更新されていました。FU Ori型の変光星は、少し前までは10個程度しか発見されていませんでした。 珍しいタイプの若い恒星状天体(YSO)の変光現象で、明るさが急激に増光(5~6等級)し、その後数十年間かけて徐々に暗くなっていくという特徴の変光星です。最初の発見例であるオリオン座FU星(FU Ori)が、1937年に大増光して以来、V1057 CygやV1515 Cygなど、確認された「典型的な」FU Ori型星はほんの一握りです。 アマチュアの発見では、V1143 Ori、V1647 Ori、V2492 Cyg、V960 Monなどが有名で、近年では、Gaiaなどのサーベイ観測によって新たな候補天体が発見されつつあります。VSXでは同タイプの変光星を検索すると、24例しかでてきません。大変貴重な現象、そして発見だと思います。今後ゆっくり減光すると思われますが、白鳥座、デネブに近いので朝夕で一年中観測が可能な位置ではありますが・・・。