恒星のフレア現象は、ASAS-SNなどの自動サーベイでも頻繁に捉えられているので珍しいことではありませんが、太陽表面で発生するフレアとは規模が違います。
今回、数年ぶりにスーパーフレアと思われる増光をとらえたので備忘録としてまとめておくことにします。
去る6月3日の夜、24時50分に「こぎつね座」付近を撮影した3画像に過去の画像に無い天体が写っているのに気づきました。位置は、赤経 20 06 16.42 赤緯 +25 39 56.2、光度は、約12.7等でした。それぞれ、画像の中心位置は異なるのでカメラの受光素子のノイズではありません。この位置に該当する変光星をVSX(AAVSO)で調べましたが該当の星はありませんん。次に SIMBAD で探すと、1秒ほど離れた位置に「Gaia DR3 1834816320996627840 --> Young Stellar Object Candidate(20 06 16.32 +25 39 56.3)」というガイアカタログの星が出てきました。誤差を考慮するとこの星に間違いありません。普段は15等台でやや赤い星です。Young Stellar Object=YSOとは、「若い星状天体」と訳され、不規則な変光をする星です。詳細をわかっていないので省略します。光度体系が違うので何とも言えませんが、今回、通常より3等以上明るくなったようです。さかのぼって、5月29日にこの領域を撮影した画像を調べてみると14等台まで写っていますがこの星は写っていません。また、ASAS-SNでも過去に同じような増光はないかとライトカーブを調べてみましたが明瞭な増光は確認できませんでした。そこで、YSOの増光確認ということで、とりあえずVSOLJに報告しておきました。深夜の2時51分でした。





その後、どう変動しているのか気になっていましたが、晴れると早朝からトレッキングや曇天続きでなかなか観測できませんでした。そうこうしていると、 ASAS-SNに新しい 6/7の観測データ が更新され、7日は17.4g等以下で受かっていませんでした。それで、この増光は、短時間、せいぜい1時間の突発的現象、フレア現象という結論に達しました。YSOがスーパーフレアを起こすことはよく知られているようなので、今回の増光はこの星のスーパーフフレアの検出ということで観測は一旦ここまでとして、以下のようにVSOLJに報告してこの件は終了としました。
GaiaDR3_1834816320996627840 202405292504 <141cG Ymo
GaiaDR3_1834816320996627840 202406032449 127cG Ymo
GaiaDR3_1834816320996627840 202406182447 <140cG Ymo
ref:太陽型星におけるスーパーフレア